米沢市歯科医師会

第8回米沢市多職種連携カンファレンス

歯科訪問診療の実態と問題点について多職種と活発に議論

令和6年2月27日(火)午後6時30分より「米沢市医師会館」講堂において、米沢市歯科医師会、米沢市医師会、米沢市薬剤師会、ケアマネージャー、訪問看護師を対象に第8回米沢市多職種連携カンファレンスがZoomによるハイブリット形式で開催され、総勢140名が参加しました。田中雄二地域医療委員会委員長が総合司会を務め、遠藤浩米沢市歯科医師会会長より開会の辞がありました。佐野隆一米沢市医師会会長より「数年ぶりに多職種が一同に介するカンファレンスを開催することができ大変うれしく思います。歯科訪問診療について活発な意見交換をお願いします。」と挨拶がありました。

安藤栄吾米沢市歯科医師会監事が座長を務め、「訪問歯科診療の実態と問題点」の演題で三條祐介米沢市歯科医師会広報担当理事が発表しました。米沢市歯科医師会の歯科訪問診療は年々増加傾向にあり、近年では年間700名近い患者を訪問診療しています。患者層は80代、90代が特に多く、介護度も要支援・要介護1〜5までを対応しています。また施設入所の患者は多いが、在宅患者は少なく、依頼内容は多岐に渡るが嚥下障害や食支援の依頼は少ない傾向があります。米沢市歯科医師会の一般歯科診療所29件中、訪問診療を行っていない診療所が12件(41%)あり、必ずしもかかりつけ歯科が訪問診療を実施できる状態ではない現状を述べました。質疑応答の後、安藤座長より多職種を対象としたアンケート結果報告より、各歯科診療所が対応可能な訪問歯科診療の内容を情報提供することや、かかりつけ歯科医が対応困難な場合、対応可能な歯科医院へ繋ぐことが大切であると述べました。さらにパネルディスカッションが行われ、米沢市医師会より大道寺浩一米沢市地域医療委員会副委員長、本会より三條理事、米沢市薬剤師会より遠藤彰則理事、ケアマネージャーを代表して舟山病院居宅支援センターの八巻美由紀氏がパネリストとして登壇しました。医師会からは歯科訪問診療依頼時の窓口を米沢市役所に設置する提案、薬剤師会からは歯科の処方を院外処方にすることは可能か?との意見、ケアマネージャーからは口腔衛生や機能をアセスメントできる人材を増やせるよう取り組んでいきたいとの展望が述べられました。最後に小形文太郎米沢市薬剤師会会長より閉会の辞があり終了しました。高齢者の口腔衛生・機能管理の重要性、歯科訪問診療の現状について理解を深めるとともに、本会の課題が浮き彫りになりました。

会場の様子

会場の様子