米沢市歯科医師会

米沢市歯科医師会学術講演

長谷部智之君が凱旋講演!

令和4年3月26日(土)午後5時より「米沢市医師会館」講堂にて令和3年度米沢市歯科医師会学術講演会が開催されました。当初2月19日に予定されていましたが、新型コロナウイルス第6波の影響で延期となっていましたが無事開催の運びとなりました。山田雄大学術担当理事が司会を務め、鈴木基会長より挨拶があり「本日は長谷部雅之君のご子息である長谷部智之君の凱旋講演ということで、多くの会員にお集まりいただき大変ありがとうございます。本日はよろしくお願いしたい。」と述べました。

講師の長谷部君

講師の長谷部君

続いて、「長期的な健康維持を目指す」~歯の保存は口福の始まり~の演題で長谷部智之君より講演が行われました。はじめに専門分野として、医科からの依頼で周術期口腔機能管理に携わっていたことから、僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁狭窄症に触れ、歯科治療時に起きうるリスクについて説明しました。それほど発症率は高くはないが感染性心内膜炎は口腔内からの感染で起き、歯科的要因が強いと述べました。弁膜疾患患者においては心臓への負荷による血圧の急激な変動に気をつけること、感染源の有無を把握すること、観血的処置を行う場合には抗菌薬投与をすること、抗凝固薬服用薬患者の観血的処置では止血操作に留意することが大切と述べました。次にバイオフィルム形成とう蝕発症メカニズムについて触れ、性別、年齢、唾液、歯質、糖質やその他の栄養素、食物の物性、う蝕の原因菌などの多くの要因があり、歯の保存はまずはう蝕の抑制から始まると述べました。また最近の根管治療について触れ、CBCTや実体顕微鏡、超音波チップ、マイクロインスツルメント、Ni-Tiファイルといったここ10年での潮流について触れ、化学的清掃、機械的清掃、緊密な根管充填がより重要になってきていると述べました。心身共に健康でいるためには日頃の口腔管理が重要で口から得た口福は未来に向けた幸福につながると述べ講演会を終えました。質疑応答では多数の質問があり、講演会は盛況のうちに終わりました。現在診療をしながら研究も続けておられ、今後の本会活動と米沢市民にとって非常に頼もしい凱旋講演となりました。