米沢市歯科医師会

在宅医療推進研修会

大峡潤地域保健担当理事が講演

令和3年8月2日(月)午後6時30分より「米沢市医師会館」講堂にて令和3年度米沢市介護保険制度医師研修事業の在宅医療推進研修会が三師会の会員を対象に開催されました。米沢市医師会の仁科盛之地域医療委員会委員長が司会・座長を務め、小林正義米沢市医師会会長による挨拶の後、本会の大峡潤地域保健担当理事により、「訪問歯科診療の現状と課題について」の演題で講演が行われました。

はじめに訪問歯科診療における歯科医療内容について述べ、口腔ケアの重要性を説明しました。次に介護施設の現状を知るために行った81件の介護施設に対するアンケート結果を提示し、介護施設では口腔ケアの実施や口腔機能の維持・向上への関心が高いこと、口腔内の状態を定期的に把握する必要性があること、質の高い口腔ケアの確立・維持のため研修やマニュアルの整備が必要であること、定期的な歯科専門職との連携が重要であることを説明しました。また本会のこれまでの訪問歯科診療におけるデータから、訪問歯科診療の件数は平成23年から令和2年までの9年間で2倍以上に増加していること、施設への訪問が増えているが、自宅や病院は横ばいであること、治療内容の変化など分析結果を述べました。今後の訪問歯科診療においては、口腔状況を定期的に把握するための介護施設でのサポート、介護施設における口腔ケアの研修やマニュアルの整備、病院や診療所との連携の強化、様々な状況に対応できる訪問歯科診療体制の構築、かかりつけ歯科医と本人・家族との関係の強化、市民への訪問歯科診療の啓蒙などの課題があげられました。質疑応答では、口腔ケアの実技研修DVD等の動画を作成し介護施設に配布する案や、介護支援専門員との連携の強化が必要であるという意見等が出ました。質疑応答は予定時間を超過して行われ、訪問歯科診療への関心の高さが伺われました。研修会後に行われる納涼会は昨年に引き続き中止となりました。

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講師の大峽地域保健担当理事