米沢市歯科医師会

歯科特殊健康診断研修

安藤栄吾労働衛生コンサルタントによる講演

令和3年7月21日(水)午後7時より「米沢市医師会館」講堂にて歯科特殊健康診断研修会が開催されました。近年、企業や産業医より歯科特殊健康診断を依頼されることが増えています。そこで講師に安藤栄吾労働衛生コンサルタントをお招きし、「産業歯科保健講習会~歯科特殊健診を中心に~」の演題で講演が行われました。歯科分野には鉛縁、水銀縁、カドミウム黄色環という歯肉に着色をきたすもの、黄リンによる顎骨壊死、歯の酸蝕症、ガラス吹管工による前歯部半月欠損、菓子屋う蝕症などの職業性疾患があると述べ、労働者の健康の保全と増進を図るための研究および実践活動として労働衛生があり、1,作業環境管理 2,作業管理、3,健康管理、4,労働衛生教育、5,総括管理(衛生管理体制)といった労働衛生の5管理について触れました。

安藤栄吾労働衛生コンサルタントによる講演

講師の安藤栄吾労働衛生コンサルタント

 

歯科特殊健康診断対象者は塩酸、硫酸、硝酸、亜硫酸、フッ化水素、黄リンといった歯またはその支持組織に有害な物のガス、蒸気、または粉塵を発散する場所における労働者で、実施する項目は問診、口腔内診査、口腔内写真撮影、職場巡視、報告書作成があり、歯の酸蝕症の診断基準は正常から第4度まであり、E0~E4のようにEで表し、う蝕や歯周疾患、修復歯、義歯は記載しない。口腔内写真撮影では上下前歯部切縁が見えるよう軽く開口させて撮影する。職場巡視は作業着を着用し、防毒マスクなどの防護具を適切に使用しているか、局所排気装置が稼働しているか、室内の機器・器具が錆びていないか経時的変化をみる。指摘事項の改善や健診結果についての報告書作成を行う。といった通常の歯科健診との違いを説明しました。質疑応答では多くの質問があり、歯科特殊健康診断について深く学ぶ研修会となりました。