米沢市歯科医師会

米沢市地域医療講演

「オーラルフレイルから口腔機能障害に対する歯科の取組み」三條祐介君が一般講演

令和4年1月17日(月)午後7時より「米沢市医師会館」講堂にて米沢市医師会、米沢市歯科医師会、米沢市薬剤師会、東和薬品株式会社の共催で米沢市地域医療講演会が開催されました。同時にWeb配信(Zoom)によるハイブリット形式で行われました。山本修平米沢市薬剤師会会長が司会を務め、小林正義米沢市医師会会長より開会の挨拶がありました。一般講演として、「オーラルフレイルから口腔機能障害に対する歯科の取組み」の演題で本会会員三條祐介君より講演が行われました。80歳で20本の歯を保有する割合が30年前は8.2%、平成28年には51.2%を越え、多くの方が食生活に問題なく過ごされている一方で、20本以上の歯を保有しているが、う蝕、歯周病により、口腔機能が低下し食事が出来ない高齢者も増加傾向であると述べました。

演者の三條君オーラルフレイルはⅠ.口の健康への意識の低下、Ⅱ.口のささいなトラブルの連鎖、Ⅲ.口の機能の低下、Ⅳ.食べる機能の障害、と4つのステージで進行していくと考えられ、Ⅲまでであれば適切な治療により回復が期待できるが、Ⅳへ進んだ場合は不可逆的な口腔機能の障害に陥ると述べました。プレフレイル、フレイル、要介護状態、寝たきりと進行するが、オーラルフレイルはプレフレイルの段階に位置し、オーラルフレイル予防がフレイル予防に繫がると述べ、骨粗鬆症や薬剤性歯肉増殖と関連したオーラルフレイルの症例についても説明しました。また嚥下内視鏡検査(VE)について触れ、摂食嚥下障害患者には障害の程度に合った食形態を提供し、口腔機能を維持、誤嚥性肺炎を予防し、国家戦略であるオーラルフレイル予防を歯科医師だけでなく医師、薬剤師、多職種、米沢市行政と連携することが重要と述べました。

続いて特別講演として、「フレイル高齢者の誤嚥性肺炎と嚥下障害の最前線」~加齢と口腔内崩壊錠の新展開~の演題で東邦大学大学院医学研究科リハビリテーション医学講座海老原覚教授より講演が行われました。誤嚥性肺炎の起炎菌は主にα-streptococci、γ- streptococci、Niceria、Batilusといったノーマルフローラ(口腔内常在菌)で、主に口腔連鎖球菌であると述べ、口腔連鎖球菌は口の中の全ての場所で優勢なむし歯菌であり、高齢者で増える傾向にある。よって誤嚥性肺炎は口腔連鎖球菌の内因性感染症と考えられ、抗生剤中心の医療から機能回復の医療へ変えていく必要があると説明しました。摂食嚥下障害者には食事の粘度の工夫が行われているが、嚥下反射を促すためには温度が重要で、冷刺激が嚥下を促すと知られているが、カプサイシン等の香辛料が知覚を刺激し、嚥下を促すこと、また匂い刺激も有効であると述べ、温度、匂い、口腔内ケアにより感覚を刺激し機能を回復させ、口腔内常在菌を減らすことが誤嚥性肺炎の予防に有効であると述べました。おいしい食事には甘味、酸味、塩味、苦味、渋味、旨味、匂い、形や温度、色や光沢、音、会話が欠かせず、患者に合った工夫と対応が大切であると述べました。質疑応答では多数の質問がありフレイルに対する関心の高さが伺えました。最後に鈴木基米沢市歯科医師会会長の閉会の挨拶で講演会を終えました。