米沢市歯科医師会

第29回 置賜地区歯科医師連合会 学術講演会・総会 ~歯周病と口腔衛生管理の重要性について学ぶ~

平成27年6月20日(土曜日)午後3時から、第29回置賜地区歯科医師連合会学術講演会・総会が川西町のフレンドリープラザで開催されました。学術講演会前に挨拶にたった伊藤敦信会長(南陽市・東置賜郡歯科医師会会長)は、「高齢化社会を迎えている。かくいう私も、患者さんと一緒に齢を重ねてきた。多くの方が体に何かしらの疾患を抱えているのが現状。本日は、歯周病と糖尿病についての講演会を企画した。明日からの歯科臨床で我々にどのようなアプローチができるのか、短い時間だが集中して講演を聴きたい。本日は、どうぞよろしくお願いしたい。」との挨拶がなされました。

置賜地区歯科医師連合会伊藤敦信会長

置賜地区歯科医師連合会伊藤敦信会長

当番地区の黒江敏史・学術担当理事から講師紹介がなされ、宮城県の富谷中央病院の勤務歯科衛生士・中澤正絵先生から“糖尿病患者の口腔衛生管理の重要性について ~歯科衛生士の臨床~”と題した講演が行われました。糖尿病患者の口腔衛生管理について、臨床経験を交えながらの講演。

【講演要旨】欠損歯が増えると咬合支持する歯の数が減少するため、十分な咀嚼が得られないことから早食い、丸呑みの傾向が強くなり、食後高血糖の誘因になると考えられている。食後高血糖は、空腹時血糖に比較して心臓血管のリスク因子になりやすい、といわれている。そのため、糖尿病治療で行われる食事療法では、咬合支持できる歯の数があるかどうかが重要であると考えられる。

1990年代からの臨床研究で、歯周病が様々な全身疾患のリスク因子となっていることが示されてきた(ぺリオドンタルメディソン)。糖尿病と歯周病においても双方向性の関係を有していることが示され、歯周病の治療によって糖尿病の指標とされるHbA1cに顕著な改善が認められことも示されてきている。                                                 歯科医師および歯科医療従事者は、糖尿病を含む様々な全身疾患と歯周病の関係に、より知識を深めておく必要がある。

講師をつとめる中澤正絵先生

講師をつとめる中澤正絵先生

 

講演会に引き続いて行われた総会では、開会に先立ち物故会員への黙祷がなされました。平成26年度事業報告がなされ、平成26年度収支決算、平成27年度事業計画、平成27年度予算がそれぞれ上程され、可決・承認されました。

総会にのぞむ置賜地区3歯科医師会会長

総会にのぞむ置賜地区3歯科医師会会長

最後に、昨年度入会した高畠町・顎口腔クリニック根岸山の宮田諭君より、新入会員の挨拶がなされ、長井地区歯科医師会・斎藤寛会長の閉会の辞で、平成27年度置賜地区歯科医師連合会 学術講演会・総会は終了となりました。    (満田隆之 記)