米沢市歯科医師会

米沢市歯科医師会と介護支援専門員との意見交換会

三密は避け、連携は密に

令和3年4月30日(土)午後6時30分より「米沢市医師会館」講堂にて米沢市歯科医師会と介護支援専門員との意見交換会が開催されました。今回は新型コロナウイルス感染拡大予防のため三密を避け本会4名、介護支援専門員5名が参加しての意見交換会となりました。はじめに鈴木基会長より「訪問歯科診療は年々増加し、昨年は653名の受診がでした。平成23年の275名と比べ2倍以上の伸びがあり、今後も増えていく事が予想されます。今年の4月には米沢市健康課の協力を頂き、市民に『歯磨きの際のポイントと、歯周病と全身疾患の関連について』のパンフレットを配布しました。口腔ケアの参考にして頂きたいです。」と挨拶がありました。続いて介護支援専門員連絡協議会の長沼勇作会長より「このような会を設けて頂き、ありがたいです。これを機に利用者の役に立ちたいと思います。」と挨拶がありました。

その後、安藤栄吾在宅訪問歯科診療委員長より米沢市の訪問歯科診療の現状についての報告があり、「米沢市内の訪問歯科診療受診者数は近年急増しており、年齢が高くなるごとに多くなる傾向が見られ、そのピークは80~90歳代であること、要介護区分別に集計した場合では要介護3と4の方の受診が多いこと、さらに訪問先別で集計した場合では在宅・病院・施設のうち近年は病院の割合が減少し、施設の割合が急増しています。また訪問診療の依頼内容は義歯関係が最多ですが、最近はむし歯や歯周病関係も増えており、背景には残存歯が多い方が増えてきたことが考えられます。」と述べました。

安藤在宅訪問歯科診療委員長

また一昨年行われた「介護施設を対象にした口腔ケアに関するアンケート調査」の結果報告では、「介護施設内で利用者の口腔ケアや口腔機能の維持・向上に関する研修や話し合いの場が『ある』と回答した施設が多く、施設職員の口腔ケア等への関心は高いです。その一方で歯科医師との連携がとれていない施設が多いこと、歯と口腔の状態、口腔機能の把握に関するマニュアルの整備が多くの施設で出来ていないこと、『オーラルフレイル』という言葉の認知度が低いことが挙げられ、認知症の利用者の口腔ケアや食事支援・介助に多くの施設が困難を感じています。」と述べました。アンケートの結果を踏まえ、参加した介護支援専門員からは「口腔ケアや口腔内の現状把握、歯科医師との連携が重要だと感じますが、なかなか踏み込めない。」「実際、現場の職員が誰に相談していいか分からない。」「こんなことを聞いて良いのか?と迷うことが多く、気が引けてしまう。」などの様々な意見が出されました。本会からは「些細なことでも気軽に相談していただき、連携を密にしていきたいです。」と述べました。山積している今後の訪問歯科診療の課題を共有し、活発な議論がなされ、双方にとって有意義な意見交換会でした。